このページで、文字と発音から始まって、文法、単語、学習のコツ、などまで全般的な学習方法をご紹介します。

 「トップダウン方式 サンスクリット学習法 理論編 その1」

   

 「トップダウン方式 サンスクリット学習法 理論編 その1」

 (このサイトで推進していきます、「トップダウン方式 サンスクリット学習法」の解説です。)

 従来のサンスクリットの学習法といいますと、たいてい文字と発音から始まって、名詞、動詞などの概要と曲用と活用を、短い練習問題などを交えつつ、一通りこなして、すなわち一通りの文法規則を身につけて、その後に原典に取り組んでいく、という方法で、その読解方法も、単語一語一語の文法的な詳細を列挙しつつ読んでいく、という方法が一般的と思います。

 そのテキストとしては、「辻文法」であったり、「ゴンダ」であったり「菅沼文法」(どれも定番とされる文法書の通称です)であったりしても、基本的な流れは変わらないと思います。ところが、この作業がまた無味乾燥なんですよね(笑)。

 まあ、語学学習の初め、とくにサンスクリットやギリシア語、ラテン語など印欧語の古典語は格変化などの丸暗記に割く時間が多く、いきおい無味乾燥な方法が採られるのは仕方がないのかもしれませんし、その「一通りの文法」を学んでいく中で、サンスクリットという言葉が持つ枠組みを学んでいる、とも言えなくもないのですが、それにしても、よく使われる文法事項と、そうでないものも一緒くたに、同等に覚えこまないといけず、今学んでいる、今覚えこんでいる学習事項が、どこまで覚えればどれだけ使える、どれだけ読める、という明確な指針がないわけです

 この間に、学び始めに持っていた初々しい気もち(?)はどこへやら、脱落する方が出るわけですね。もちろん、その方にはそれだけの続けていく動機、熱意がなかったから脱落したんだ、と突き放した見方をすることもできますが、工夫された学習方法によって、脱落したはずの人が、なんとか学習にぶら下がっていて(笑)、細々とでも続けられ、作品を読解する楽しさ、という海にまでたどりつくことができるではないかな、とも思うのです。

 上記の、従来の学習法は、いわばボトムアップ方式と言えます。基礎事項をある意味やみくもに積み重ね積み重ねして、一定の水準まで持っていき、そこから読解に取り掛かります。そして、その読解方法も、文法的に詳細に分析をしつつ、読んでいくわけです。

 これに対して、インド本国で取られている学習方法はと言いますと、「パーニニ」の文法を暗記し、何年もかけて伝統的な文法事項を学んだり、逆に日本人が英語を学ぶときのように、「これはペンです」「私の名前は〜です」といった簡単な文から入っていくのが普通です。

 サンスクリットを「読み」「書き」「話し」「聴く」という、ネイティブに近い、自然な語学を習得するには、この方法が一番良いでしょう。従来日本で取られている読解方法のように、「この単語の活用は・・・」といちいち挙げていかなくても、日本人が日本語を読む際にいちいち文法事項を意識することなく読めるように、サンスクリットが読めるようになる方法です。

 ですが、日本人がサンスクリットを学習する動機はといえば、「ギーター」が読みたい、であったり、仏典が読みたいであったり、読解が中心と思います。 例えば英語を学ぶ際でも、「これはペンです」の英語から初めて、文学を読むレベルまで到達するのはかなり迂遠で、大の大人の学習方法としては、とても稚拙な方法と言えます。日本人が日本の古典を読むときでさえ、一定の訓練と学識を必要とするのですからね。初めから、ある程度文学を読むことを意識して単語を覚えたり、読解力を高める方が、近道と言えるでしょう。

 ですので、私たち日本人の学習方法は、必ずしもインドの伝統的方法にこだわる必要はなく、かと言って従来の西洋の、日本の学習方法でもなかなかとっつきにくい、というところではないかと思います。

 このサイトで提起する学習方法は、従来の日本、西洋のサンスクリット学習法と、インドの伝統の方法の良いところ取りをし、さらにさまざまな語学習得のノウハウ、また学習法やビジネスに関するメソッドなどを加味させて考案した、トップダウン方式と言うべきものです。

 まず初めに、目標、ここでは「バガヴァッド・ギーター」が読める、というレベルを提示します。そして、そこに辿り着くには何が必要なのか、どんな学習をし、どの単語を覚え、どの文法事項を把握していればある程度読めるようになるのか、を具体的に提示していく方法です。

 はじめから明確な目標設定がしてあり、また学んでいること全てが、「ギーター」の読解に直結していますので、あまり使われない文法事項を無理して覚えるという無駄、また今やっている学習が何に結びつくのかわからずに覚えている、という虚しさ(?)がありません。全てが、あくまで「ギーター」を読むための、実用本位の方法です。

 それと、日本の学習方法は読解中心ですので、あまり発音を重視せず、目だけで文章を追っていく方法が主ですが、このサイトでは、音読を重視し、自分の声、また耳を使って、聴覚も活用し、より楽しく、かつ記憶効果もよい方法での学習を進めていきます。

 そのようにして「ギーター」を学んでいるうちに、サンスクリットの発音や、文法事項が、自然に、あまり文法的な分析を意識することなく身についている、というレベルを目指します。

 「ギーター」の本文の中には、サンスクリットの個々の発音から始めて、ある程度の基本語彙、また文法テキストで学ぶような主な学習事項はたいてい網羅されている言ってもいいと思います。ですので、あえて文法書を使って実用を離れて覚えなくても、「ギーター」の本文を例文として学びながら、発音、基本単語、文法事項を身につけることができるわけです

 ですので、サンスクリットで「ギーター」を読む、という面と、「ギーター」を使ってサンスクリットを学ぶ、という二つの面を同時進行させていける、画期的な方法(笑)なのです。

 そして、文法的な詳細を挙げながら読解力、語彙力を鍛えつつ、最終的には、サンスクリットが、直接サンスクリットのまま読める、という状態を目指す方法なのです。(もちろん、この‘読める’は‘文法的に読める’、という意味で、内容の深い理解には、文献の分野や難易度によって、さらなる読み込みが必要なことは言うまでもありません)

 小理屈が長くなりましたが、とにかく、このサイトでは、この学習方法を「トップダウン方式 サンスクリット学習法」と名づけて、推進していく運びになります。

 では、前置きはこのぐらいにして、具体的に、全くサンスクリットの予備知識を持たない段階から「ギーター」が読めるには、何が必要なのでしょうか?

      「トップダウン方式 サンスクリット学習法 理論編 その2へ続く」

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Last updated at :2008/06/01(日) 09:45
Publish at :2007/05/29(火) 16:33

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