
サンスクリットの文字と発音 1
文字: 現在インドでは、通常サンスクリットを「デーヴァ・ナーガリー」と呼ばれる文字で表します。
日本をはじめ海外や、ネットでは、それをローマ字に変換した翻字が使われ、その翻字の方式にも何種類かあります。
(このサイトで使用する翻字方法の詳細につきましてはこちらをご覧ください)
発音: サンスクリットの文字と音の体系は非常に合理的、体系的になっています。日本語の「五十音図」もサンスクリットを参考に作った、という説がありますが、サンスクリットの方が、はるかに合理的と思われます。
まずは母音を挙げてみます。日本語に無い音もありますが、基本は日本の母音の順番にとても似ていることがわかります。
左がデーヴァナーガリー文字、右がこのサイトで使用する翻字方法です。
(翻字は、通常のタイピングで用いるローマ字で全部を打ち出せるように工夫したもので、「この文字にはこのローマ字を当てる」、という約束事の上に成り立っています。ですので、翻字のローマ字は必ずしも発音を表していませんのでご注意ください。各文字、翻字の発音につきましては、声音ブログの該当ページをご参照ください。
また、ここでは文字と発音を一覧させただけですが、いずれ文字と発音講座として別項を立てたいと思います)
母音

次は子音です。それぞれ音が発せられる体の部分で体系的に分類されています。
子音
喉音

口蓋音 (こうがいおん 口蓋というのは、舌を上に挙げると当たるところです)

反舌音 (そりじたおん 舌先を上に挙げるようにして、口蓋につけて音を出します)

歯音

唇音

半母音

歯擦音

気音

特別鼻音

kaからpaの段までの子音は、実際に ka、ca、Ta、ta、pa、と発音してみると、喉→口蓋→反舌(舌先が口蓋の中ほどに当たる)→歯→唇、と体の奥の喉から、順々に、だんだん口先の方へ進み、唇までと、発声の部位が移動していくことがわかります。
そして、横方向に目を向けますと、kaの段でしたら、濁らない「カ」、濁らない「カ」の強く息を吐く音(有気音と言います)、濁る音の「ガ」。濁る「ガ」の有気音の「ガ」、鼻にかかる「ガ」(日本語で「りんご」というときの「ゴ」ように、「ンガ」という感じです)と順序良く並んでいて、それがpaの段まで続きます。
日本語の「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」の順番にも何か意味があるのでしょうか。何か重要な意味があるのかも知れませんが、少なくとも、身体部位と音とを考慮した配列、という点では、サンスクリットの方が合理的のようです。
このようにサンスクリットの音の体系はとても合理的にできているのです。
そして、以上の子音は全て「a」をつけた形でご紹介しましたが、これが日本の「か、さ、た、な、は、・・・」に当たります。これに、日本語が「か」の段に「か、き、く、け、こ」と母音を足して構成していくのと同じに、一番上に挙げました、母音と組み合わせて、ka、kaa、ki、kii、ku、kuu・・・となり、全体の音韻を構成します。
以上がサンスクリットの単音の音韻体系です。日本語の辞書の配列が「あいうえお、かきくけこ・・・・」となっているように、サンスクリットの辞書も、上記のように、母音から始まり、「ha」までの音までの配列となっています。
ですので、音韻の理解への必要性ということもそうですが、辞書を引くためにも、おいおいこの順序はしっかりと覚えていく必要があります。
しかし、これで文字と発音が終了かと言いますと、残念ながらそうではなく(笑)これ以外にも、例えば英語で野球のストライクなどを表す「strike」の「str」が子音だけでつながっているように、サンスクリットでも子音の連続があり、これを表す文字は、残念ながら(笑)、単音よりももう少し形が複雑になります。 ただ、単音の文字を覚えれば、そこから類推ができる形がほとんどですし、いっぺんに全部覚える必要はなく、むしろ効率がよくなく、頻繁に使われるものから少しずつ覚え始めて、あまり使われないものは、文中に出てきた時に、その都度確認する、という程度でよいのです。
文字を全て覚えないとサンスクリットの学習はできないかといいますと、そんなことは全くなく、このサイトでもローマ字の翻字を用いて単語や文章をご紹介していますように、ローマ字を用いて学習を進めながら、おいおい少しずつ文字を覚えていかれればいいのです。
そして、文字がある程度読めるようになった段階で、手書きの写本などはともかく、書籍で出版されているサンスクリット関係の本は、ほとんどが読めるようになるのです。
もちろん、文字が読めるようになっただけで、まだ中身を読み、理解できる段階ではありませんが、広大、深遠なサンスクリット文献の世界に、目が通せるだけで、何か新しい世界が開けたようになりますよ。
今までただのわけのわからない、文字だか記号だかわからないモノに目が通せる、声を出して読める(内容はわからなくても)経験、これは本当に新鮮な体験です。これで、サンスクリットが読めるようになるまでの鍵のひとつを手に入れたことになります。
ここまで来たら、スラスラと読めるのはもう目の前です(笑)。その日を楽しみに、ぜひあきらめずに、楽しみながら学習を続けていただきたいと思います。
いずれこのサイトで、できるだけ早く、簡単に文字を覚える秘伝(?)をご紹介させていただく予定です。
(長くなりましたので、連続子音については、別項で扱います)
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