ヨーガ関連 用語辞典

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 シッダ・アーサナ 達人座・達人坐 など siddhaasana

 ◆ サンスクリット siddhaasana 読み シッダーサナ

  siddha  シッダ

意味 成就された、達成された、成功した、完成した、神通力を有する、
    聖者、予言者、8種の神通力を持つ半聖者

 ちなみに、仏教の開祖、いわゆるお釈迦さまの本名は「siddhaartha」「シッダールタ」、「目的を達成したもの」という名前でした。

  aasana  アーサナ 

意味 アーサナ (別項解説)

 解説

 日本での「達人坐」はどなたの発案かは存じませんが、「到達した、達成した人、」という意味で「達人」と名づけられたのでしょう。現在ではサンスクリットをそのまま読んで、「シッダ・アーサナ」と呼ぶことが多いようです。

 ヨーガの本によっては「シッダ」を「スィッダ」と書いてあるものがありますが、「スィッ」とひねった読み方(?)をする必要は全くありません。普通に「シッダ」でいいのです。ただ、サンスクリット式に正確に読む場合は、シッダの「ダ」は、強く息を出しながら発音する、有気音です。

 (これもすでに書きましたが、サンスクリットの正式な書き方、読み方は、「シッダ」と「アーサナ」を続けて、「シッダーサナ」と書き、また読みます。)

 別項「アーサナ 2」で述べましたが、ハタヨーガの聖典、「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」で、アーサナの中で最も優れている、と述べられたのが、このシッダーサナです。

 参考

 シッダーサナの形

 yonisthaanakamaMghrimuulaghaTitaM kRtvaa dRDhaM vinyaset
  meMdhre paadamathaikameva hRdaye kRtvaahanuM susthiram  ||
  sthaaNuH saMyamiteMdriyo'caladRzaa pazyedbhruvoraMtaraM
  hyetanmokSakapaaTabhedajananaM siddhaasanaM praocyate || 37 ||

  (解説省略・・・)

 全体の意味

 会陰部(肛門と性器の中間部分=俗に言う‘蟻の戸渡り’の部分。あ、‘蟻の戸渡り’の方がマイナーでしょうか?(笑))に、足のかかとを当てて、しっかりと固定するべきである。
 それからもう片方の足を陰茎の上に、あごを心臓部にしっかりと押し当てる。
 身体を動かさず、感覚を抑制し、眼を動かさず、眉間を見つめるべきである。
 これこそが、解脱への扉を開き始める、シッダーサナと呼ばれる。

 シッダーサナについて

 caturaziitipiiTheSu siddhameva sadaabhyaset
  dvaasaptatisahasraaNaaM naaDiinaaM malazodhanam  || 41 ||
  aatmadhyaayii mitaahaarii yaavaddvaadazavatsaram
  sadaa siddhaasanaabhyaasaadyogii niSpattimaapnuyaat  || 42 ||

 単語の切れ目

 catur - aziiti - piiTheSu - siddham - eva - sadaa - abhyaset
 dvaa - saptati - sahasraaNaaM - naaDiinaaM - mala - zodhanam
 aatma - dhyaayii -  mita - aahaarii - yaavad - dvaadaza - vatsaram
 sadaa - siddhaasana - abhyaasaad - yogii - niSpattim - aapnuyaat

 単語の意味

 catur  4 aziiti 80 (caturaziiti 80) 
 piiTheSu 座、椅子、ポーズなどを意味します。この場合、
 アーサナと同じ意味で用いています。(の中で)  siddham シッダーアサナ
 eva のみが、(強調) sadaa 常に 
 abhyaset 実行する、学ぶ、反復する(べきである)

 dvaa 2 sapta 7 sahasraaNaaM 1000の (dvaasaptasahasraaNaam 72000の)
 naaDiiNaaM ナーディーの(ナーディーは、血管、プラーナの通り道、などを意味します。この場合は、プラーナの通り道、の意味でしょう) 
 mala 汚物、排泄物、アーユルヴェーダでいうドーシャの別名 
 zodhanam 除去すること、浄化、清めること

 aatma 自身、生命、魂、本来の自分、最高我 dhyaayii 瞑想する
 mita 適度の、簡潔な、量られた、少ない、制限された aahaarii 食物
 yaavad に至るまで dvaadaza 12 vatsaram 年 

 sadaa 常に siddhaasana シッダーサナ abhyaasaad 修することによって
 yogii ヨーギー、ヨーガを修する人 niSpattim 現れること、成し遂げられること、
 成就、完成 aapnuyaat 到達する、獲得する、成し遂げる べきである

 (詳細な文法解説省略・・・)
 
 全体の意味

 84のアーサナのうち、72000のナーディーの汚れを浄化する、
 シッダを常に修するべきである。

 本来の自己について瞑想し(最高我に思念を凝らし、魂に集中し、)
 節食し、12年にわたり、常にシッダーサナを実行することによって、
 ヨーガを修する者は、完成に到達する。
 

 

2007/05/22(火) 15:30

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 「アーサナ」その2 ハタ・ヨーガ編

 先日は、アーサナの単語の意味、また「ヨーガ・スートラ」、いわゆる古典ヨーガ、ラージャヨーガの中での「アーサナ」の使われ方を簡単に見てみましたが、補足として、ハタヨーガでの「アーサナ」の使われ方を見てみましょう。

 現在、一般にヨーガといって思い浮かぶ、さまざまなポーズをとるハタヨーガでは、例えば「パドマ・アーサナ」とか「シッダ・アーサナ」など、「・・・アーサナ」というつながり方で、いわゆるポーズを表す名称として定着しています。(日本語として読みやすいように「パドマ・アーサナ」と分けて書いてありますが、サンスクリットの正しい発音では、「パドマーサナ」、「シッダーサナ」と続けて読みます)

 ハタ・ヨーガの聖典、「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」の中では、例えば「アーサナ」を次のように用いています。

caturaziityaasanaani zivena kathitaani ca |
tebhyazcatuSkamaadaaya saarabhuutaM braviimyaham || 35 ||

siddhaM padmaM tathaa siMhaM bhadraM ceti catuSTayam |
zreSThaM tatraapi ca sukhe tiSThetsiddhaasane sadaa || 36 || 

「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 1:35、36」

 単語の切れ目

 catur - aziiti - aasanaani - zivena - kathitaani - ca
 tebhyaH - catuSkam - aadaaya - saarabhuutaM - braviimi - aham

 siddhaM - padmaM - tathaa - siMhaM - bhadraM - ca - iti - catuSTayam
 zreSThaM - tatra - api - ca - sukhe - tiSThet - siddhaasane - sadaa 

 各単語の意味

 catur = 4  aziiti =80 (caturaziiyi = 84) aasanaani = アーサナ 
 zivena = シヴァ神によって kathitaani = 語られた、説かれた ca = また
 tebhyaz = これらから catuSkam = 4つ aadaaya = とりあげる
 saarabhuuutaM = 最良のもの、主要なもの  braviimy = 私は話す、述べる
 aham = 私は

 siddhaM = シッダ(アーサナ)  padmaM = パドマ(アーサナ) 
 tathaa = また  siMhaM = シンハ(アーサナ)  bhadra = バドラ(アーサナ) 
 ca iti = また  catuSTayam = 4種の
 zreSThaM = の中で最良の、最も優れた  tatra api = このうちでさえ
 ca = また sukhe = 快適な tiSThet = 静止する、とまる、守る、固守する、
 続ける、に心が向けられている、集中されている、(べきである)
 siddhaasane = シッダーサナ(シッダ・アーサナ)に  sadaa = 常に

 (長くなりますので、細かい文法的な解説は、今は省略します・・・)

 全体の意味

 84のアーサナが、シヴァ神によって説かれた。
 これらのうちから、最良の4つをとりあげて、私は語ろう。

 それは、シッダ、パドマ、またシンハ、バドラ、の4種である。
 このうちの中でも、最も優れているのが、快適なシッダーサナであり、
 常にそれを保つべきである。

   先日見ましたように、「ヨーガ・スートラ」の中には、単に「アーサナ」という使われ方をされ、「・・・アーサナ」という名称はでてきませんが、16から17世紀ごろの著作とされる(14世紀という説もあります)、この「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」ではこのような「・・・アーサナ」という名称が現れますので、それ以前にはそのような名称が一般化していたと思われます。、ラージャヨーガから、ハタヨーガが発展する中で、だんだん「・・・アーサナ」という呼び方が使われ始め、定着し、現在に至る、ということでしょう。

 「・・・アーサナ」という使われ方が始まったのがいつ頃のことか、定かではありませんが、さまざまな文献を紐解くことによって大体の年代が特定できるかと思いますので、ひとつの研究テーマとしてもおもしろいものと思います。ただ、インドの文献は年代がはっきりしないものが多いですので、その作業はなかなか難しいものとなるとは思いますが・・・ 私自身も、今後さまざまな文献を読み解いていく中で、何かわかったことがありましたら、随時ホームページでご紹介させていただこうと考えています。

 

Changed at 2007/05/21(月) 10:35

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「アーサナ」

◆ サンスクリット aasana  読み アーサナ

 ヨーガのいわゆるポーズのことをこう呼びます。元々は
√aas 座る、とどまる、止まる、続ける、邪魔されずに何かをする、
などを意味する動詞から来ています。
(√ は動詞の語根を表す記号です。語の根っこなのでルートの記号を使うのです)

 よくヨーガの本を見ますと「アサナ」と書いてある本が多いですが、サンスクリット式では「アーサナ」が正しい表記、読み方です。

 「ヨーガ・スートラ」では、ヨーガ・スートラが規定した、ヨーガの八支のうち、3番目にこの「アーサナ」を位置づけています。

yamaniyamaasanapraaNaayaamapratyaahaaradhaaraNaa-dhyaanasamaadhayo’STaavaGgaani  「ヨーガ・スートラ 2:29」

「ヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラティヤーハーラ、
ダーラナー、ディヤーナ、サマーディ、が8つの区分である。」
(ヨーガの八支につきましては、長くなりますので別項で詳しく解説する予定です・・・)

 「ヨーガ・スートラ」の時代には、まだ現在のようなさまざまなポーズをとるハタ・ヨーガは発達していないと考えられますので、この場合の「アーサナ」は元の意味の「座ること」に近い、現在で言うパドマーサナなどシンプルな座法を指すのではないかと思います。ただ、現在のような多様なポーズの意味での「アーサナ」と当てはめて考えてもしっくりとくるものです。

 参考

 sthirasukhamaasanam  「ヨーガ・スートラ 2:46」

 単語の切れ目 sthira - sukham - aasanam

 便宜的な読み 「スティ’ラ スカ’マーサナム」
( ’ の記号は強く息を出す有気音を表します(私の考えた表記法です・・・))

 各単語の意味

 sthira  堅固な、固い、固体の、硬直した、強い、不動の、安定した、など
 sukham  快い、楽しい、
 aasanam  アーサナ

 全体の意味

    ・堅固で、 
        ・不動で、  > 快適な 状態が アーサナである。
    ・安定し、

または アーサナは、堅固で、快適である(必要がある)。

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Changed at 2007/05/19(土) 18:30
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